グッバイ・ボーイ 

年末にペルーのことを書いていたが、最近は時事ネタばかり書いていたので、また話をペルー旅行に戻す。マチュピチュ遺跡の記事を書いたが、一つ書き忘れたことがあった。http://tabiari.blog95.fc2.com/blog-entry-224.html

マチュピチュは切り立った山の頂上にあり、麓のアグアス・カリエンテスから山道を徒歩かバスで登って向かう。バスはつづら折りの車道を何度もカーブしながら登って行くが、車道と車道の間には山道があるので、徒歩ならそこを歩いて最短距離で行ける。

初めの一人旅は、その山道を登って行った。けっこう急な道だったが、マチュピチュを早く見たくて仕方なかったので、足取りは軽く、ほとんど休まずに登った。そして帰りも同じ道で山を下った。僕が足元に気をつけながら下っていると、上から、ダッダッダーと誰かが猛スピードで走って来る音がした。「えっ!?何や?」と振り返ると、インカ時代の民族衣装を来た少年が、「ちょっと、どいて!」みたいなことを言いながら駆け下りてくる

驚いて条件反射的に道をあけたが、少年は僕など目もくれず走り抜けていく。「な、なんじゃ?!」と呆然としていると、少年は車道に出て立ち止まった。そしてバスが現れると、「グッバーイ!」と大声で叫び、バスに向かって手を振る。バスが通り過ぎると、また山道を猛スピードで駆け下りていった…

彼は「グッバイ・ボーイ」と呼ばれる少年。バスがカーブを曲がる間に、山道を駆け下りてバスを待ち構え、「グッバーイ!」と叫んで手を振る。それを繰り返し、下まで乗客を見送ってくれるのだ。乗客にしたら、少年がまるで瞬間移動してるように見える。麓に着く頃に、少年はバスに乗り込み、乗客からチップをもらう。

僕も話には聞いていたが、バスから見たのではなく、山道ですれ違ったから、初めはビビッた。しかし、あんなに急で石がゴロゴロある山道を、サンダルで駆け下りていくとはけっこう危険だぞ。しかも、一つのバスを下まで追いかけて見送ったら、また急な山道を登って頂上に戻らなければいけない。一日5,6回が限度らしい。僕だったら、2回ぐらいでバテそう。 しかし、よくこんなことを思いつくなあ…

2度目にマチュピチュを訪れた時は、母と一緒だったので、登りも下りもバスを使った。そして、帰り道にグッバイ・ボーイを車窓から見ることができた。同じ少年がどうかは分からないが、民族衣装を着て、大声で「グッバーイ!」と叫び、手を振っていた。仕掛けを知っているのに、カーブを曲がる度に少年が現れるのは確かに不思議な感じだ。母も驚いていた。

バスからは見られない彼の苦労やすごさを、その3年前に山道で見ていたので、少しチップを弾んだ。グッバイ・ボーイの映像http://www.youtube.com/watch?v=Agy3AmH9Rck

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